お知らせ
シール貼りの狙いと発達年齢におけるあそびの楽しみ方について
製作ブログ3回目はまたまた岩田です。(^^)! よろしくお願いします。
今回は「シール貼りのねらいと発達段階におけるあそびの楽しみ方について」を解説したいと思います。
前回2回目は「こいのぼり製作~発達年齢と製作活動の設定について~」を田代さんが解説してくれましたね!
まだご覧になられていない方はぜひ覗いてみてください。
シール貼りのねらい
①目と手の協応を養うこと。
子どもは目と手の協応が未発達です。
すなわち、幼児は見たものに対してまだ思い通りに身体が動かせないことが多いということです。
この時、子どものなかではこんな反応が起きています。
①目で見たものが脳に伝わる。
②脳が判断する。
③脳が身体をこう動かすようにと指令を出す。
④指令が身体へ伝わる。
シール貼りで鍛えたいのは特に③と④の間の神経伝達です。
目からの情報と末端神経である指先の連動を何度も行うことができます。
神経は使えば使うほど太くなり、脳と目と手の協応性を高めていくことができ、この達成感が「自分はこれができる」という自信につながります。
小さな成功体験を重ねることで自分への信頼が高まり、自己肯定感が生まれます。
手に取ったシールを紙に貼るとき、大人は貼る場所をねらってシールを持って行きますが、実は幼児はまだこの動作がうまくできません。
最初は大きな枠であっても上手く貼れず、ずれてしまうのはそのせいです。
体の2つ以上の場所を同時に動かすこの協応動作は繰り返せば繰り返すほど上手になっていきます。
シール貼りは「シールをはがす→台紙に貼る→ゴミを捨てる」といった一連の動作の繰り返しを何度もこなすから手先の力を伸ばしていけるのです。
神経は使えば使うほど太くなり、脳と目と手の協応性を高めていくことができます。
②思い通りに動く指を育てること
神経は使えば使うほど太くなります。つまり神経は使えば使うほど精度や速度が増します。
シール貼りのなかでは、「シールをはがして貼る」という動作を何度も繰り返しますね。ということは、シールをはがして貼るという動作、すなわち指先と脳の神経伝達を何度も行うことができます。
同じ動作を何度も繰り返すことで指先への神経伝達の精度を高め、指が細かいところまで自分の思い通りに動かせることがねらいです。
精度の高い器用な動きができるようになれば、日常生活など他のことにも対応できます。
鉛筆を持つ準備にもつながります。どの段階が未発達なのかはその子それぞれです。
自尊心を育むことができます。
子どもの「できた!」というキラキラした顔がみたいからです。
子どもの発達に合わせたシール貼りは、思いのままペタペタ貼り楽しむ活動から頭を使い、集中してじっくり楽しむ活動へと子どもの成長に合わせて発展させましょう。
①好きなところにシールを貼る。
②形や模様に合わせて貼る。
③貼る場所を考えながら貼る。
発達や興味には個人差があるので子どもが「やってみたい!」「楽しい!」と思えるようなやり方を取り入れてみてください。
③達成感を味わい、自己肯定感を高めること
シールを全部貼れたり、シール枠にぴったり貼れたりすると、できた!という達成感が得られます。シールやシール貼り台紙は何枚もあるので、何度も達成感を重ねていくことができます。
この達成感が自分はこれができるという自信にもつながります。
小さな成功体験を重ねることで自分への信頼が高まり、自己肯定感が生まれます。
自分を認められる正しい自尊心を持てれば、他人も大事にできるはずですね。
シール貼りあそびって何歳からさせたらいいの?
シール貼りの楽しみ方その1:自由に貼る
大きな台紙を用意して、好きなように貼らせます。
年齢が低い場合にはこれ一択です。1歳半ごろから楽しむことができます。
シールを台紙から剥がしたり、つまんだり、くっつけたりして指を使い、脳の発達を手助けするねらいです。
子どもにとってシールを貼るのは難しいものなんですよ。
まずなかなかシールをはがせない。
だいたい利き手でシールをつまむのですが、反対の手で剥離紙のはしっこを下向きに折ってあげるといいです。
シール貼りあそびを楽しむなかでひとりでに、目と手の協応性、両手の協調性が磨かれます。
もうひとつ、このころから「シールは紙に貼るもの」という意識付けをしておく下心もあります。
紙に貼る癖をつけておけば、大きくなってからまたここにシールを貼って!などという「そこら中シールだらけ!」を防ぐ効果を期待できます。
シール貼りの楽しみ方その2:点の上に貼る
紙に点を描き、点の上にシールを貼らせます。
枠の中に貼る前段階、自分の狙ったところに貼る練習です。
2歳過ぎたころから。
点なので、多少ずれてもシールの下に隠れてくれて、ちゃんと貼れた感が出ます。
重ねて貼るのが好きな時にも楽しめます。
(この段階は飛ばしてしまっても構いません。)
シール貼りの楽しみ方その3:枠の中に貼る
2歳半~4歳半頃が最も楽しめます。
もちろん、それ以降は大人でもOKです。
ぴったり!できた!という達成感を重視するため、枠が1個や2個の簡単なものから始めてください。
あまり最初からたくさん見ると、やる気を失ってしまいがちです。
シール貼りの楽しみ方その4:数の世界とつなげる
2歳半頃から。
3歳過ぎて、10まで数えられるようになるともっと面白くなります。
丸シールは形が一定なので、幼児にとっても比較的数えやすいです。
準備として、事務用丸シールを、1枚ずつばらばらに切り離しておきます。
最初にシール貼り台紙の丸の数を数え、その数だけ自分でシールを用意させます。
枠が2つなら、シールは2枚。
枠が6つなら、シールは6枚。
貼り終わったら、自分が数えた数があっているかどうか、嫌でも正解がわかります。
どうしても最初に数えることをしない子もいますね。
途中で「あと3個いる!」と追加のシールを取りに行く姿をよく見ます。
まあ残りを数えられるのはいいことなんだろうな、と思って眺めています。
シール貼りの楽しみ方その5:自分で絵を描く
3歳過ぎ、見立てあそびができるようになる頃から。
貼った丸シールを、何かに見立てて絵を書き足すとか。
丸シールを並べて絵を描いてみるとか。
むしろシール貼り台紙を作る側にまわってみるとか。
枠なんかにははまらない!芸術は爆発だ!というタイプの子どもにはいいかもしれません。
あまり関係ないのですが、ふと自分の小さかったころを思い出しました。
おじいちゃんが囲碁をしているそばで、碁石を並べて花を作ったり人を描いたりしていました。
もしや私、シール貼り台紙を作る運命だったのか!?
シール貼りの楽しみ方その6:カウントダウンに使う
2歳頃から。
クリスマスのアドベントカレンダーってありますよね。
12月のカレンダーに、25個の窓がついていて、毎日1つずつ開けていくもので、開けるときれいなイラストが描かれていたり、小さなプレゼントやお菓子が入っていたりします。
これの応用です。
引っ越しや断乳の日など、動かせないゴール地点をまず決めます。
そしてゴールに向かって、毎日1枚ずつシールを貼っていくようにします。
あとどれくらい残っているのか目に見える形にすると、子どもにも大人にもわかりやすくなります。
正直なところを言えば、アドベントカレンダーほどの楽しみはありませんが。
あと何日、というように見せるだけなら、もっと幼くても理解できるようです。
シール貼りの楽しみ方その7:習慣づけのツールとして使う
2歳頃から。
いい習慣をつけるために丸シール貼りを使う方法です。
よくあるのがトイレトレーニングです。ごほうびシール台紙として使うやり方です。
心理学的なコツを応用すると、最初の3個ほどは先に貼ってしまうといいです。
「残りは次にトイレでおしっこできた時に貼ろうね♪」
最初のスタートダッシュで底上げされた感があって、最後までやり続ける助けになります。
個人的には、シール貼りの手仕事自体を楽しんでほしいので「ごほうびシール」という言い方は好きではないですが。。。
ちなみにこのやり方、大人のダイエットにも使えますよ(笑)
腹筋3回やったら丸シール貼る、とか。
シールの数だけやってきたことが具体的に目に見えるので、どんどん積み重なっていくこともあり途中でやめてしまうのがもったいなくなるんです。
私も子ども向けだよねーと思っていましたが、思った以上に達成感が得られて続けやすいです。
次回もお楽しみにお待ちください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。